2024年5月19日日曜日

音響操作とデジタルの関係性

 


デジタルテクノロジーは、本当はね、本当に素晴らしい技術の塊です。

でも人類が頼りすぎて、その技術自体の向かう先もおかしな事になってきている。と感じる機会が増えた気がします。


本来は手仕事を上手くアシストしたり効率を高めたり、誰かに伝えるための人間の為の最適なツールだったはず…

そして芸術から交通網まで、時代を動かす統制力を持つようになった。


ここまで本当に素晴らしいこと。それらを作り上げた人々の洗練された感性、思考回路は多大な恩恵を僕たちに与えてくれる事でしょう。


しかし、それらを用いることを考慮しなければならない時が来た。

デジタル確かに便利だ。とにかく便利だ。だから目指すべき事が早いのも確か。


しかし、便利でいいのだろうか?

〔ここが今回の本題です〕

便利と良いは明確に違うもの。

早さは、人生有限の時間の中では重要。限られた時間でより多くのアクションを起こす事ができるからだ。


しかし、早さが幸せか?

なにか洗いざらい大切なものを忘れていないだろうか?


1からセッティングする事の意味。

役割分担、長所×短所=?、そこでこそ養われる人間の感覚 。

デジタルはそこが視覚化されているのが素晴らしいが、引き換えに人間は五感のセンサーを元に考慮すること、感じることを怠る。


手に取るようにデジタルはわかってしまうから。数値化や視覚化という指標は大きなアドバンテージではあるが、

音響のセカイでは音で、リズムで、手に取るように分からなければならない。体のセンサーに訴えかける音。

良い音は手に取るように表情や表現したいことがわかります。

この感覚が重要で、これを鍛えないといけないのです。


音のセカイのイコライジングもそうですよね。

そもそも何故イコライジングをするのかにも確りとした理由が様々ありますよね。

位相が被っているからずらすのに処理したり、山を作ったり、そもそもの楽器の音を引き出すのに使ったり。


PAならループバック制御もイコライジングで30~40%は解決出来ますよね。


しかし、それらは聴覚やその人の感性で感じる楽器の鳴りや音楽性を元に、違和感に対して理由を探りつつ処理していくわけで、非常に精密な作業です。

瀬戸際の調整がしばらく続くのですが、デジタルはすぐに解決案を提案してくれます。

人間は自身の判断で、ここで本当に解決できるのか。明解にできたのかをトライして結果を求めていかなければなりません。


ここを怠ってデジタルに頼りっきりなっている場合が多くなってきている気がしませんか?

僕はそう感じています。

理由は単純でしょう。面倒だからです。

それと、、「何故こうなる?」に対してハッキリと答えやすいからです。


しかし本来は、実践と模索を面倒がらずに、感覚と思考のギアを上げてトライしなければいけないですし、後者に於いて、デジタルによる数値化の説得力は一見強みに見えますが、1秒後にはもう変わってしまっているアナログの世界では全くもってそれで推し測るのはナンセンスな話です。

そんなに完璧に説明できるほど現実世界はカッチリしていません。不安定で軟らかいです。

その無限に変化しつづけるそれを五感を働かせて着いていかなければなりません。


何故変わるのか?変わってしまっては都合が悪いときのクレーム対策でしかありません。

こんな測定結果がでましたから、恐らくこうなります。


それでそうなったら誰も苦労しません。ただし人間が努力してデジタルが導きだした予想を完璧に合わせにいくことは可能です。すなわち、狙いをつけてそこに着地させれるということです。


それはデジタルの演算が凄いのではなくて人間の能力です。

そこを間違ってはいませんか?


便利でカッコいいデジタルツールスを上手く活用するのも技術です。

頼りすぎて人間のセンスを鈍らせていたら、退化していきます。

人間は常に七転び八起きで走り続けなければならないのです。

人間が鈍ったら、デジタルの勘も鈍ります。


そういう意味でアナログってとっても大切なのです。


ただ単に音が良いからとかではなくて、もっと根本的なところ、「感覚的であること。」

好奇心を掻き立て、1から磨きあげていけるからこそ、拘りの詰まった唯一無二のサウンドが生まれる。それこそがアナログの醍醐味。

これを知る人こそがデジタル技術やツールの素敵なところを享受出来て、より技術や発想を豊かなものにしていけることでしょう。


あえて使ってはいませんでしたが、初めてデジタルミキサーのEQセット保存/呼び出し機能を使用しました。


確かに非常にスピーディーでしたが、私には全く合いませんでした。

それよりメモにペンを走らせて変化するサウンドを予測し、実際リアルタイムのサウンドを丁寧に感じる方向へ持っていく方が感触は良く、結果的に音のぶれも少ないのではと思いました。同時にこのやり方をしないと何故サウンドが変化したか、理由を探れなくなる。それが恐怖です。


だから仕事は遅いです。

しかし根気よくやり方を模索しなんとか実用的なところまで準備の仕方やメモの仕方等を1から練り上げることがスゴくスゴく重要です。

ここが出来ないと役割分担すらもできなくなるからです。


ツマミが多いミキサーの前で迷子にならないために必要なことです。


必要なスキルは入念な予備知識ではないと思います。

もちろん知識は絶対に必要ですが、調べるよりも身に付ける事。


なんでも藪から棒に機能を使えば良いとかではなく、まず要求に対して必要なツールや機能を見つけること。

自ら調整し形を作りながら、手順ややり方を磨いて行く。


僕がデジタルの便利機能を頑なに使わない理由はここです。


だって便利なんですよ?

いつでも使えば良いです。


そうではなく、いろんな組み合わせで独自のスタンダードを築くことに注力したいからです。


土台は自分で作れなきゃ、相手の要求に応えることはできないから。

応えていくために僕はそんな手順ですすめさせて頂きます。


デジタルはこれからどうなっていくのかは、我々の行動と、その熱量次第です。

独りでに進化はしていきませんよ!

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